花特別展”太古の花から青いバラまで!”

最近、ホームページに「花」を話題にする事が多いので、話題を理解する為、

 国立科学博物館(東京・上野)で花の勉強をしました。

 以下、勉強した一部分です。(一部、会場内の説明を引用する)

 ほんの少しでもご参考になれば、幸甚です。・・・2007.03.24.・・・

”多様な花の色の世界”

a)花には、様々な色があるが、「白」を除く、殆どの花の色は、2種類の 色素群によって

 構成されている。

 @黄色中心の花の色は、「カロテノイド」色素である。

    ・・・(例)フクジュソウ・・・

 A赤から紫を経て青色(黒色)迄は、「アントシアニン」色素である。

    ・・・(例)ヒガンバナ・・ 

b)しかし、一般的には、「赤〜青色」の花は、「アントシアニン」色素によるが、

 オシロイバナ科・ヒユ科(ケイトウetc.)・スベリヒユ科(マツバボタンetc.)の

 花の色は、「ベタシアニン」色素によっている。

 その他、ツルナ科(マツバギクetc.)・アカザ科(アッケシソウetc.)・ サボテン科・

 ヤマゴボウ科・ツルムラサキ科・ティディエレア科の計「9科」の 植物のみ

 「ベタシアン」色素を持っている。

源氏物語&十二単


 ”御几帳どもしどけなく引きやりつつ、人気近く世づきて見ゆるに、唐猫の

 いと小さくをかしげなるを、すこし大きなる猫追ひ続きて、にわかに御簾の

 つまより走り出づるに、人びとおびえ騒ぎて、そよそと身じろきさまよふけはひ ども、衣の音なひ、耳かしかましき心地す。

 ・・・猫のいたく鳴けば、見返りたまへる面もち、もてなしなど、いと

 おいらかにて、若くうつくしの人やと、ふと見えたり。”

「源氏物語」六條院・・・第三十四帖「若菜上」参照

”女三の宮は、紅梅かさねのうちぎ(普段着)の上に桜がさねの細長(上着)を

 着ている”

 *11世紀初頭、「源氏物語」と「枕草子」の中で、植物が人名を象徴している。

特に、「源氏物語」の1帖から10帖迄の9帖が植物の名前が付けられている。

(第4帖・・・空蝉)

「源氏物語」木竹:57+草木:54種=111

「枕草子」木竹:61+草木:77種=138

重複しない植物を両者合せると「163種」・・・

何と!「万葉集」の植物「163種」と一致する。

・・・しかし、その中には、万葉集に見られない「キク」「リンドウ」

「アサガオ」が含まれている。

”契りおかむこの世ならでも蓮華に玉いる露の心へだつな”

   (若菜下の帖)

 

「下画像」・・・”十二単!”

 かさねの色目には、紅梅・橘・萩等々植物に因んだものが多い。

 

さくらとダーウインのラン


”さくら”

・・花の仕組み!太古の花「アルカエフルツス・シネンシス」の進化!



アングレクム・セスキペダレダーウィンのラン)

1862年、ダーウィンは、マダガスカル(アフリカ)でこの花を見た時、

この長い距(キョ)にマッチした口吻を持つ昆虫がいる筈と予言した。

そして、1903年、長い口吻(約30cm)を持つ「キサントパンスズメガ」

発見された。

キソウテンガイと世界一の花

キソウテンガイWelwitschia mirabilis)”

 一見、多数の葉がある様に見えるが、実は、風等に晒されて裂けているだけで、初期は、たった「2枚の葉」しか持たず、それが無限に伸びる不思議な植物である。

雄株と雌株は別で花が咲く迄は「20年以上」の歳月を要する。

アフリカ南部の「ナミブ砂漠」に自生する松や銀杏等と同じ

「裸子植物」である。

ラフレシア  (Rafflesia spp.)

これは、花の直径が6090cm」になる世界で一番大きい花15種の

ラフレシアの中のアーノルディ-種)である。

何れの種も「ブドウ科のミツバピンボウカズラ属」の植物に寄生しているが、

何と?この花の受粉は、蛋白質の腐った様な臭いに引き付けられる

「ハエ」が担っている。

スマトラ島やボルネオ島分布している。

青カーネイションと青バラ
”ムーンダスト”(青いカーネーション誕生!)

カーネーションには、「青」や「紫」の花色がない。

そこで、デルフィニジン(青や紫の花色=アントシアニンの

一種)が含まれる「ベチュニア」から青色遺伝子を取り出し、

カーネーションに導入し、世界で初めて作られた品種。

Blue Roseバラにも、カーネーション

同様、デルフィニジンを作る為の青色遺伝子がない。

これまで交配による品種改良で「青いバラ」作る研究がされて来たが、

不可能であった。

従って、「Blue Rose」と云えば、「不可能」と云う意味であった。

・・・「何でも写真館T」”青いバラ” 2004.05.24参照) 

ところが、2004.06.30サントリー鰍ニフロリジン社(オーストラリア)

「パンジー」から遺伝子を取り出し、バラに導入し、「青いバラ」を

作り出した。

「追加画像」

@黄色いコスモス・・・「下」バラの香料製精装置! 

Aパンクシア「オーストラリア」「下」ユーカリ、カンガルーボーetc. 

B世界のサボテン集合!「下」砂漠の植物集合! 

C「表」・・・熱帯の樹木!

 「下」Carl Linnaeus(カール・フォン・リンネ)17071778・・・「スウエーデン」

・・・現在、地球上の全ての生物(少なくとも人類によって発見された生物)には名前がある。

  そして、全ての生物には、世界共通の名前が付けられている。

  彼は、この「二名法」の分類学の基礎を確立した「生誕300年」著書「Systema Naturae(自然の体系)参照」

彼が愛した森と湖の国スウエーデン&世界一美しい首都ストックホルムに行きたい!

 

Dお化け蒟蒻(スマトラオオコンニャク)・・・世界一大きな花序「高さ:3m」

「下」その説明:20年掛けて花(開花季節不明)を咲かすが、開花後1週間で腐る。強烈な悪臭を放し、ハエが花粉を運ぶ! 

E世界一背の高い花序の「ブヤ・ライモンディー」・・・直径60cm、高さ10m前後の花茎!

「下」その説明:アンデス山麓の半砂漠地帯に生育する。

   開花する迄、80年〜150年要し、世界一遅咲きの花である。



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